2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速逐次部分空間同定法によるフィードバック系の実時間変化検出法の開発
Project/Area Number |
20760285
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 宏史 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (20351455)
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Keywords | 制御工学 / 制御理論 / システム同定 / 閉ループ系 / オンライン同定 / 部分空間法 / 変化検出 / 逐次アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的は, フィードバックループ内に接続された監視対象について, 閉ループ系の観測可能な信号より故障等に起因する監視対象の動特性変化をリアルタイムで検出するオンライン変化検出法を開発することである. 本年度は, 主に, 研究代表者が提案した閉ループ部分空間同定法の漸近的性質の解析に従事した. 閉ループデータから同定対象の開ループ特性の抽出について, 外生信号同士の無相関性の利用とフィードバック制御器の状態空間表現の擬似的な逆表現を求めることが重要であることがわかった. さらなる解析を継続して進める必要がある. また本年度において, 提案手法の実システムへの応用に注力し, 補助金により購入した倒立振子実験装置を用いた実機によるいくつかの検証実験を行った. まず, 台車位置のフィードバック制御系に対して閉ループ同定実験を行い, 閉ループ部分空間同定法を適用して良好な結果を得た, 本結果は, 第51回自動制御連合講演会にて口頭発表した. つぎに, 台車系の同定モデルと振子の物理モデルより倒立振子のフィードバック制御系を設計し, そのコントローラを用いた倒立振子制御系に対して閉ループ同定実験を行い, 閉ループ部分空間同定法より倒立振子系の同定モデルを求めることに成功した. なお, 倒立振子系は, 不安定な劣駆動系の典型例として同定が難しいことで知られている. 本結果は, 平成21年8月に行われるSICE Annual Conference 2009にて口頭発表予定である. また, 開ループ系に対する高速逐次部分空間同定法による変化検出法を台車系に実装し実験を行い良好な結果を得た. 本結果は, 平成21年7月開催のIFAC SYSID 2009にて口頭発表とプロシーディングに採録が決定した.
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