2008 Fiscal Year Annual Research Report
可撓性フィラープレートを有する高力ボルト引張接合継手の接触圧力分布性状
Project/Area Number |
20760297
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鈴木 康夫 Utsunomiya University, 工学研究科, 助教 (50431698)
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Keywords | 構造工学 / 鋼構造 / 連結 / 高力ボルト引張接合 / てこ反力 / 可撓性フィラー / シール / 接触圧力 |
Research Abstract |
本研究課題は, 高力ボルト引張接合継手のてこ反力の低減, すなわち高強度化と継手面の防錆対策とを目的として提案されている「可撓性フィラーを有する高力ボルト引張継手」を対象として, 可撓性フィラーの構造諸元, 継手母材の構造諸元, および継手の初期不整が, 継手の接触圧力および引張挙動に与える影響を検討することを目的としている. 可撓性フィラーを有する高力ボルト引張継手は, 引張ボルト継手の継手面間にゴム材とボルト軸力伝達部材とで構成されるフィラーを挿入することにより, てこ反力を抑制し, 継手強度を向上させるものであり, 平成20年度は, 可撓性フィラーを構成するゴム材の板厚およびボルト軸力伝達部材の断面寸法が, 初期不整のない継手の引張挙動(強度および変形性能)に与える影響を実験的に検討したまた, あわせて, 継手面間の接触圧力を圧力測定フィルムにより計測した. その結果, 可撓性フィラーを挿入すると, てこ反力が低減されることを実験的に確認した. しかし, 一方で, ティーフランジ板が薄い場合には, てこ反力が低減されても, 継手の破壊モードが母材強度に支配され(ボルトが破断する前に母材が降伏または破断する), 結果的に継手強度は上昇しないこともわかった. 継手面の接触圧力については, その分布性状を定性的に把握することはできたが, 継手面に発生する接触圧力が圧力測定フィルムの測定範囲を超えている場合もあったため, 実験では, その大きさを定量的に確認することはできなかった. したがって, 今後は, 継手面接触圧力の大きさおよび分布を数値解析により確認するとともに, 継手に初期不整がある場合の力学挙動を実験により確認する予定である.
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Research Products
(1 results)