2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760300
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
市村 強 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20333833)
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Keywords | 地震 / 構造物応答 / シナリオ地震 / 断層-構造物系 |
Research Abstract |
世界有数の地震工学の知見をわが国は有しており, 構造物の地震時挙動推定技術も高いレベルにある, 一方, 構造物の大規模化・複雑化・輻輳化, 既存施設の老朽化などによる大地震に対する新たな脆弱性が懸念されており, 構造物の地震時挙動推定技術のより一層の高度化が重要と指摘されている. 上記を踏まえ, 「大規模・複雑な既存・新設構造物及び構造物群の地震時挙動推定手法の高度化」を本研究の目的とする. 具体的には, 断層の破壊過程設定(シナリオ), 地殻・地盤の三次元モデル, 構造物の三次元モデルを用いて, 1)断層から構造物までの三次元数値解析用モデルを計算機上に構築し, 2)断層の破壊過程・地殻内の地震波伝播・地表近傍の地震波増幅・複雑な構造物の動的挙動の一連の過程を高い精度で数値解析することが可能な数値振動台の基盤技術を開発する. 解析手法の開発及び検証だけではなく, 大規模立坑, 石油備蓄基地などの実構造物及び観測データを用いて手法の検証・適用性の検討を行う. また, 多くの優れた地震動予測研究が活発に行われている, これらの研究で予測された地震動を用いても高い精度で構造物の地震時挙動を推定できる仕様とする. 本研究課題は, 構造物の地震時挙動推定技術の高度化及び耐震改修効果の定量的把握などにより, 大地震が懸念される国内重要構造物の耐震性向上に資するだけでなく, 日本発の技術として世界の地震災害地域への貢献が期待される. 「断層から構造物までの三次元数値解析用モデル」を構築し, その数値解析を行うためには膨大な計算量が必要とされる. これを軽減するため, 平成20年度は, 階層型解析手法を用いた効率的な数値解析手法を提案し, 小規模モデルを用いて精度検証を数値的に行った. あわせて, 大規模複雑構造部の地震時挙動を数値解析するための計算手法も開発した.
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