2009 Fiscal Year Annual Research Report
局部応力を用いた溶接ルート部の疲労強度評価法に関する研究
Project/Area Number |
20760308
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
穴見 健吾 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 准教授 (30272678)
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Keywords | 疲労強度評価 / 荷重伝達型十字継手 / 溶接ルート部 / 局部応力 |
Research Abstract |
本研究は局部応力を用いた溶接ルート部の疲労強度評価法の検討を目的としており、荷重伝達型十字溶接継手を対象に(1)複雑な応力場でのルート部の疲労評価法と(2)測定できる応力を用いたルート部の疲労強度評価法の検討を目的としている。昨年度は(1)について検討し、最終年度の本年度は(2)について検討を行った。溶接ルート部は溶接部内部に存在するために、亀裂発生点近傍の応力分布を直接測定することは困難であり、その疲労強度評価は公称応力ベースもしくは解析的な手段に頼ることが多く、構造全体挙動や溶込み性状など溶接ディテールを再現できるモデルを用いての疲労強度評価が現状では困難である。そこで本年度は、溶接部前面の測定できる応力分布を用いて溶接ルート部の疲労強度評価を行う可能性について検討を行った。具体的には、荷重伝達型十字溶接継手について、主板厚、溶接脚長、溶込み深さをパラメータとして有限要素解析を行い、のど厚応力による評価法、亀裂進展解析、エフェクティブノッチストレス法、それぞれによる疲労強度評価結果と溶接部前面の任意の位置(正端部からの位置については種々の設定手法を検討)の応力との相関について検討を行った。検討結果は、溶接正端部応力は、既存の評価法と良い相関を示しており、正端部から3mm~5mm程度でもある程度の相関が得られることが分かった。また、特に溶込み率により分類して評価すると、特に溶接ルート部の疲労問題が生じやすい溶込み率の小さい場合に良い相関が得られることが分かった。この結果をもとに、既存の疲労試験結果を整理した結果、既存の疲労強度評価法と同程度のばらつきで疲労強度を評価できる可能性を示した。本年度のこれまでの解析的な成果は、土木学会年次学術講演会に投稿しており、また、現在、検討の妥当性について実験的に検討を行っている。
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Research Products
(1 results)