2008 Fiscal Year Annual Research Report
有害重金属汚染地盤の不溶化および処理土の利用高度化に関する研究
Project/Area Number |
20760310
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横浜 勝司 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (50299731)
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Keywords | 地盤工学 / 土壌汚染防止・浄化 / 環境技術 / 地盤強度 / 重金属類不溶化 |
Research Abstract |
鉛および六価クロムが基準値より多く溶出する汚染土を不溶化処理し、処理後試料の土質試験および力学試験を実施した。不溶化作業は、火山噴出物を母体とした重金属吸着剤を汚染土に混合するたけの簡易な作業で行える。さらに本手法の工学的有用性を高めるためには、処理後の試料の建設材料としての再利用の可能性を検討する必要がある。本研究では、北海道内で採取された鉛含有土(溶出量0.097mg/L)とDLクレーに六価クロムを混合して作成された六価クロム調合粘土(溶出量1.34mg/L)を用いた。ここでは、各汚染土の乾燥質量の6〜7%程度の重金属吸着剤を混合した。混合後3日経過後には溶出量が基準値以下になる結果が得られた。このことから、本研究で用いた重金属吸着剤による鉛と六価クロムに関する不溶化効果が確認された。 一方、不溶化処理後の試料の建設材料としての利用可能性を検討するために、本研究で用いた重金属吸着剤による不溶化処理後の試料による一連の試験を実施した。その結果、先ず、不溶化処理後の試料においては、未処理試料に比べて塑性限界が低下することが明らかとなった。この結果は不溶化処理前後において試料の物理特性が変化することを示している。また、不溶化処理前後の試料による締固め試験が実施された。不溶化処理前後での結果を比較すると、処理後の試料では最大乾燥密度が低くなる傾向が見られた。さらに、一軸圧縮試験により強度を測定した結果、未処理試料の強度と比較して処理後試料の強度が低下する傾向も見られている。これらの結果より、本手法による不溶化処理後では塑性指数の低下、締固め特性の変化、強度低下の可能性があることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)