2009 Fiscal Year Annual Research Report
有害重金属汚染地盤の不溶化および処理土の利用高度化に関する研究
Project/Area Number |
20760310
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
横浜 勝司 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (50299731)
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Keywords | 地盤工学 / 土壌汚染防止・浄化 / 環境技術 / 地盤強度 / 重金属類不溶化 |
Research Abstract |
鉛または六価クロム基準値より多く溶出する汚染土を不溶化処理し、処理後試料の土質試験および力学試験を実施した。本研究では、火山噴出物を母体とした重金属吸着剤を汚染土に混合することで、鉛または六価クロムの溶出量を基準値未満にすることが可能になることが確認された。この不溶化効果は、処理後の試料を凍結させた後にも持続していることが確認された。このことから、本研究で用いた不溶化処理法は、北海道のような厳しい冬期の気象状況下にあっても、その効果を失うことなく持続することが明らかにされた。 一方、不溶化処理後の試料の利活用性を調べることは、環境面に配慮した持続的社会に貢献するために必要なことであることから、その物理・力学特性の変化を調べている。特に、処理試料に凍結融解履歴を与えた後の強度および透水性を調べた。その結果、(1)物理特性に関して、物凍結融解履歴を受けた処理試料は、未凍結時の試料に比べ塑性限界が低下する挙動が見られた。しかし、塑性指数の低下に伴う重金属類の溶出量の増加は見られていない。このことは、不溶化処理試料を極低温状況に置くと、物理的性質が変化することを示唆している。(2)強度特性に関して、凍結融解履歴を受けた処理試料の強度が未凍結試料に比べ、若干低下する傾向が見られた。(3)透水性に関しては、凍結融解履歴がある試料の透水係数が見凍結試料に比べて低下する場合があることも確認された。これらの結果より、本研究で実施された重金属類の不溶化効果は凍結の有無に影響されないことが確認された。一方、凍結の有無は試料の物理・力学・透水特性に大きく影響を及ぼすことも明らかとなった。したがって、本手法のような不溶化処理を施された試料に関しては、埋め戻し等を行った後にも、周辺条件によっては、強度低下や透水性の変化が生じる可能性があるといえる。
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