2010 Fiscal Year Annual Research Report
計算地盤工学と鋼構造解析の統合による設計支援ツールの開発:構造物全体系の連成解析
Project/Area Number |
20760311
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山川 優樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80324010)
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Keywords | 計算地盤工学 / 地盤-基礎-上部構造連成系 / 基礎の支持力 / 送電鉄塔 |
Research Abstract |
本研究は,最新の計算力学・地盤工学・鋼構造工学における研究成果を集約して統合型解析ツールを提供し,新たな知見を実務技術に還元するものであり,(1)地盤・基礎・上部構造の解析モジュール統合による,実務活用を前提とした高機能な構造物全体系連成解析システムの構築,(2)実験・実測結果との比較検証による解析コードの精度向上と実務解析への適用性向上,(3)現行設計コードとの対比に基づく新たな知見の集約と実務技術へのフィードバック,の3項目から構成される.本年度は本研究の最終年度であり,これまでの研究成果を踏まえ,以下に示す研究項目に取り組んだ. 研究項目(i):設計支援ツールとしての実務活用を前提とした高機能な構造物全体系連成解析システムの構築.これまでの成果により,構造物の各構成要素(地盤・上部構造)個別解析モジュールは高度なレベルで完成し,統合されている.今年度は,これを連成系解析ツールとして更に完成度の高いものとした. 研究項目(ii):幾何学的・材料的非線形性を有する問題に対する数値解析のロバスト性と計算効率の向上.鋼構造部分は座屈など幾何学的非線形性が卓越する.一方,地盤部分は変形局所化など材料的非線形性が支配的である.こうした力学特性が極めて異なる構成要素を統合的に取り扱う際には,非線型方程式の精度良い求解が困難となるため,安定的に求解しうるようロバスト性の向上を図った.研究項目(iii):実務問題の解析への対応.実務問題の境界条件は非常に複雑であり,地盤と構造物との界面での摩擦・接触・剥離の考慮ほか,時刻歴ごとの拘束条件の変化や,施工過程の考慮が必要な場合などがある.このような実務解析の要請に柔軟に対応するためのモデル生成などプリ・ポスト処理環境も含めた高機能解析ツール整備を進め,今年度はこれを完成させた.
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