2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガスハイドレート分解および生成に伴う地盤の環境変動予測手法の開発
Project/Area Number |
20760313
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木元 小百合 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (70362457)
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Keywords | ガスハイドレート / 分解 / 地盤変形 |
Research Abstract |
南海トラフ海底におけるハイドレート含有地盤を模擬するため、CO2ハイドレートを含有する模擬試料を作製し、減圧法による分解実験を実施した。特に減圧速度と地盤材料の間隙率が沈下挙動に及ぼす影響について検討するため、これらの条件を変えて実施した。ハイドレート試料作製および分解実験については,研究協力者である清水建設技術研究所の所有するハイドレート作製装置を使用した。母材とする土試料として豊浦砂を使用し、氷置換法によりCO2ハイドレート含有試料を作成した。氷置換法は、含水比を調整した試料を一旦冷凍した後、供試体中にガスを封入した状態で温度を0度以上に上昇させ、間隙中の氷を融解させるとともにハイドレートに置き換える方法である。分解試験装置は、高圧セル内にアクリル製の一次元圧密容器を設置したものを用い、容器内に試料を設置した。軸荷重制御と外部に付属している圧力発生装置により間隙圧制御が可能である.圧密容器内の間隙圧を初期状態(3MPa)から設定圧力(1.5MPa)まで3種類の速度で低下させることにより、供試体内のハイドレートを分解させ、分解中の軸変位,圧力発生装置変位、および圧密リング内の上部,中部,下部の3点で温度を測定した.実験結果より、沈下速度は減圧速度が大きいほど大きくなるが、最終的な沈下量は減圧速度によらずほぼ一定となることが分かった。間隙比については、大きいほど最終的な沈下量が大きくなった。 さらに、分解-変形連成解析手法を開発し、これにより分解実験のシミュレーションを行い解析手法について検証した。今回は実験と解析で温度境界条件が異なり,また実験は一次元変形であるのに対し,解析は平面ひずみ条件であることなど条件の違いはあるものの、提案した解析手法により分解時の温度変化、沈下挙動等についてよく再現できることを確認した。
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