2009 Fiscal Year Annual Research Report
破砕性砂および粒度の異なる非破砕性砂が示す弾塑性挙動の統一的記述
Project/Area Number |
20760317
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 正太郎 Fukuoka University, 工学部, 助教 (70346815)
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Keywords | 粒子破砕 / 弾塑性力学 / 限界状態 |
Research Abstract |
骨格構造概念に基づき、粒子破砕の影響を表現可能な弾塑性構成式の構築を目指して系統的な三軸試験を試みた。一連の三軸試験を通して、破砕性地盤材料の力学的特徴として以下のことを明らかにした。 (1)破砕性砂に過圧密履歴を加えると、排水条件・非排水条件のどちらにおいても明確な降伏点が現れる。(2)過圧密履歴の有無に関わらず、排水せん断中では拘束圧が高いほど顕著に破砕が生じるのに対し、非排水せん断中では拘束圧が低いほど顕著に粒子破砕が生じる。(3)拘束圧の低い状態では排水せん断中に比べ非排水せん断中に顕著に破砕が生じるのに対し、拘束圧が高い状態では非排水せん断中よりも排水せん断中に顕著に破砕が生じている。(4)せん断前に顕著な粒子破砕を生じさせておいた場合においても、せん断中に生じる破砕量はそのような過圧密履歴を受けていない場合と比べて明らかに小さくなるわけではない。(5)同一の限界状態に達した場合には破砕量にも差が現れない。 また、粒子破砕時に生じるこれらの諸特徴を再現するための弾塑性構成式を開発した。弾塑性構成式の基礎としたのはSYS Cam-clay modelである。このモデルに破砕を考慮するための新たな負荷面を導入することで、粒子破砕時に生じる上記の諸特徴を再現することに成功した。また、このモデルが、初期値の設定の仕方によっては、SYS Cam-clay modelに帰着することを確認した。すなわち、粒子破砕の顕著に生じる材料と粒子破砕のほとんど生じない材料を統一的な枠組みの中で記述することに成功した。
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