2010 Fiscal Year Annual Research Report
河川構造物周辺の流れと地形変化に関する予測シミュレータの高度化と体系化
Project/Area Number |
20760327
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
音田 慎一郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (50402970)
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Keywords | 局所流 / 数値モデル / 高度化 |
Research Abstract |
水深積分型モデルは河川洪水流解析において実用的に汎用されているが,河川構造物周辺では流れの3次元性や非定常性が強く,またそれに伴って土砂輸送過程も複雑であるため,平均流を仮定した従来の水深積分型モデルでは現象を再現できない.こうした複雑な現象を精度良く予測するには,適用する流体解析モデルと土砂輸送モデルの選定が重要となる.本研究は,流れの局所的変化を組み込むことで積分型モデルの適用範囲を拡張するとともに,積分型モデルと3次元モデルの現象の再現性について考察することを目的としたものである. 積分型モデルの高度化として,河川構造物の前縁に発生する馬蹄形渦のモデル化を理論的に考察した.具体的には,流れの加速・減速効果を加えた運動方程式と水深平均渦度方程式を連立して解くことで底面流速を精度良く評価した.導かれたモデルを角柱周辺の流れ場に適用し,3次元数値解析結果と比較することでモデルの妥当性を検証した.今回のモデル化では,3次元数値解析結果と比べて角柱前面での渦のスケールが主流方向に若干長く,横断方向に若干小さかった.また,横断方向流速が小さかったために,結果として,水はね効果も小さくなり,馬蹄形渦下流側の流れの再現性も十分でなかったが,水深積分型モデルでも馬蹄形渦の発生を概ね再現できることを示した. 一方,掃流砂と浮遊砂を考慮して土砂輸送過程を詳細に表現した3次元数値解析モデルを用いて,水制周辺の河床変動解析を行い,水制周りの局所洗掘を再現できることを確認した.
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Research Products
(2 results)