Research Abstract |
課題3. 非粘着性土・粘着性土共存場における流路・河床形態 本年度は,上層を粘着性土,下層を非粘着性土とした蛇行流路変動に関する実験を行った.その結果,全層を非粘着性土として行った実験に比べて,上層を粘着性土,下層を非粘着性土とした実験では,流路の曲率が小さくなることが明らかとなった.さらに,全層を非粘着性土として行った実験では時間とともに流路幅が広がり,ついには網状流路となったが,上層を粘着性土,下層を非粘着性土とした実験では,流路は一本に保たれたままだった. 課題4. 植生繁茂による粘着性土の堆積が流路・河床形状に与える影響 まず,非粘着性材料を用いて,植生の根が河岸浸食に与える影響に関する水路実験を行った.植生としては木本類を想定し,浅根型と深根型でどのような違いが出るかを検討した。その結果,河岸の高さが深根型の根の深さよりも高いときは,浅根型も深根型も根が河岸浸食の抑制に与える影響は小さいことが明らかとなった.さらに,浅根型の方が深根型よりも大きく河岸が浸食されるまで氾濫原上に残る現象が見られた.一方,河岸の高さが深根型の根の深さよりも低いときは,深根型では,根が河岸浸食を抑制していた.このような河岸の浸食は,粘着性土による河岸浸食抑制と同じような効果があることが推察された.さらに,実験で得られた知見を植生の流出特性として考慮し,陸域への植生の侵入・成長・流出を考慮した流路変動解析を行った.その結果,非粘着性土であっても流路幅の拡幅が抑制され,網状化しにくくなることが明らかとなった.
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