2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760332
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森脇 亮 Ehime University, 理工学研究科, 准教授 (10302952)
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Keywords | 接地境界層 / 乱流構造 / 都市 / 植生 / キャノピー / 現地観測 |
Research Abstract |
地表面上に発達する大気乱流は大気-陸面間のエネルギー・物質循環に大きな影響を与えるが,都市や森林などキャノピーを有する地表面では大気乱流の構造は極めて複雑であるため,その特性は十分に解明されていないのが現状である.そこで,本研究では屋外実験およびLESを用いて,同一気象条件下における都市と植生キャノピー上の乱流構造を比較検討し,キャノピー上乱流の発達メカニズムを解明することを目的とした. 1、建物配列を変化させたコントロール実験 「屋外模型都市および植生における乱流の同期計測」において,本年度は建物の縦横比(アスペクト比)を変化させた実験を行った結果,以下のような新たな知見が得られた.1) アスペクト比の大きい都市モデル(H/W=3.3)では,それが小さい都市モデル(H/W=1.0)に比べて摩擦速度や抵抗係数が大きくなる.2) 風速の無次元標準偏差や四象限解析などの乱流統計量は,大きいアスペクト比を有する都市モデル(H/W=3.3)と水田における乱流の類似性を示唆している.3) しかし,スペクトル解析により乱流変動の周波数特性を検討したところ,都市モデル(H/W=3.3)には見られないスペクトルのピークが水田には見られ,これには,水稲の揺れが関わっていると考えられる. 2、LESによる都市および植生キャノピー乱流の数値実験 LESモデルを用いて,アスペクト比を変化させた都市キャノピーにおける乱流の数値実験を行った.その結果,アスペクト比の大きい都市キャノピーの底部では循環流の及ばない死水領域が存在し,キャノピー底部に与えたスカラーが拡散されにくい状況が生じていた.またアスペクト比を大きくした場合に,キャノピー全体としての摩擦速度が増大することが確認された.
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