2008 Fiscal Year Annual Research Report
産業内の垂直的連関性を考慮した地震経済被害計量モデル
Project/Area Number |
20760343
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
土屋 哲 Nagaoka University of Technology, 工学部, 助教 (70422623)
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Keywords | 防災計画 / 地震経済被害 / 垂直的連関性 / 一般均衡モデル |
Research Abstract |
本研究では, 大規模地震が地域経済に及ぼす影響を, 企業の垂直的連関性を想定した上での生産資本の損傷, また, 地域間の交通ネットワークや電力・水道・ガスなどのライフラインといった重要社会基盤の損傷に着目して空間的応用一般均衡モデルを用いた間接被害推計のフレームワークを構築し, 東海・東南海地震といった社会経済的インパクトの大きな災害の被害推計に適用して政策志向的な被害評価モデルとすることを大きな目的としている. その中で, 平成20年度は以下のことを行った. (1) 垂直方向の連関性や同種異質財の扱いを考慮した経済モデルに係る既往研究の整理 (2) 災害の被害評価に係る応用一般均衡モデルの枠組みのブラッシュ・アップ 具体的には, (2)でライフライン途絶に対する生産レジリエンシー(システム途絶への耐性)に関する基礎的な検討として, これを表す指標として企業の生産技術(生産関数)における投入要素間の代替弾力性に着目し, 2004年の中越地震後に行われた事業所被災調査データを産業レベルに集計してこれを推定した. その結果, 全体的に非製造業にくらべて製造業の方が代替性が小さく, ライフライン途絶が生産に及ぼす影響が大きいと推測できる結果を得た. また, 災害時における供給系ライフライン機能(電力, 水道, ガス)の損傷が地域経済に及ぼす影響を計量化するために, 応用一般均衡モデルを用いて経済被害評価を行う枠組みを構築し, 各ライフラインの途絶状況(フェーズ)に応じた経済被害を把握することが可能となった.
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Research Products
(4 results)