2009 Fiscal Year Annual Research Report
時間信頼性を考慮した交通政策評価のための統合化交通均衡モデル体系の構築
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20760344
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中山 晶一朗 Kanazawa University, 環境デザイン学系, 准教授 (90334755)
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Keywords | 時間信頼性 / 交通ネットワーク / 統合均衡モデル |
Research Abstract |
申請者はこれまで所要時間及び交通量が確率的な場合の交通ネットワーク均衡の開発を行ってきた.これらのモデルは所要時間及び交通量が確率的な場合の均衡モデルであり,ネットワークの信頼性評価には最適なモデルである.しかし,これらモデルの適用のためには,1)所要時間が変動する要因の特定及びそれらのモデルへの取り入れること,2)確率的に変動するOD交通量(交通需要)の推定,3)道路・鉄道等の交通手段及び経路選択との統合化配分モデルの構築,そして,4)その統合モデルに関するパラメータ推定法の確立,が必要である.本研究では,上述の時間信頼性評価に必要な上記のモデル・手法を開発し,確率的交通ネットワーク均衡モデルを核とした時間信頼性評価のためのモデル体系を構築する. 本年度は,まず,交通需要が確率変動することを考慮した,交通量及び旅行時間が確率変動する確率的交通ネットワーク均衡モデルを発展させた.推定問題としては,観測リンク交通量を用いて,各種モデル及びサブモデルのパラメータを推定する最尤推定法を発展させた.また,バスやLRT(新型路面電車)と通常の自動車交通を合わせた確率的交通ネットワーク均衡モデルを確立し,金沢都市圏の道路ネットワークへの適用も行った.以上のような本年度の成果によって,時間信頼性を考慮した交通政策評価のための統合化交通均衡モデル体系の構築に大きく寄与したとともに,それを現実のネットワークに適用する為の推定手法を発展させることができたと考えられる.
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