2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760355
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
伊藤 歩 Iwate University, 工学研究科, 准教授 (90312511)
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Keywords | 下水消化汚泥 / 無害化 / 重金属 / 内分泌かく乱化学物質 / 促進酸化処理 / フェントン反応 / リン資源再利用 |
Research Abstract |
まず、フェントン反応による水中のノニルフェノール(以下、NPとする)の分解について検討した。フェントン反応に関与する過酸化水素(初期濃度:1g/L)と鉄イオン(Fe(II)とFe(III)(初期濃度:0.16g/l)をpH2と3の条件下でそれぞれ単独で添加した場合、NP(初期濃度:1mg/L)濃度は減少せず、酸化剤単独の条件ではNPの分解が起きないことが分かった。次に、過酸化水素とFe(II)イオンあるいはFe(III)の2種類の試薬を同時に添加した場合、NP濃度が減少し、フェントン反応の生成物によりNPの分解が起こることが分かった。過酸化水素とFe(II)イオンの双方を添加した場合では、Fe(III)イオンを添加した場合と比較してNPの分解速度が極めて大きくなった。これは過酸化水素とFe(II)イオンとの反応生成物であるヒドロキシルラジカルが効率的に生成されてNPの分解を促進したためであると考えられる。次に、下水消化汚泥中のNPの除去の可能性についてpH2で検討した。汚泥からのNPの抽出はマイクロウェーブを用いて行い、その際のNP回収率は約80%であった。水試料の場合と同様に過酸化水素(10g/L)あるいは鉄イオン(1.6g/L)単独の添加では汚泥中のNP含有量は減少しなかったが、過酸化水素とFe(II)イオンの双方を添加した場合、NP含有量が低下し、フェントン反応において生成されるヒドロキシルラジカルによる汚泥中NPの分解が可能であることが明らかになった。
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