2008 Fiscal Year Annual Research Report
硝化微生物群集の解析による生物活性炭の硝化機構の解明と運用方法の最適化
Project/Area Number |
20760358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
春日 郁朗 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (20431794)
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Keywords | 土木環境システム / 微生物 / 生物活性炭 / 硝化 / 高度浄水処理 |
Research Abstract |
生物活性炭処理のパイロットプラントを対象として、アンモニア酸化細菌(AOB : Ammonia-Oxidizing Bacteria)とアンモニア酸化古細菌(AOA : Ammonia-Oxidizing Archaea)の存在状況を調査した。本プラントでは、砂ろ過処理をオゾン-生物活性炭の前段あるいは後段においた2系列で運転を行っている。2つの系の生物活性炭のアンモニア酸化能を評価したところ、系列ごとの明確な違いは見られなかった。リアルタイムPCRによって、AOB-amoA遺伝子、AOA-amoA遺伝子のコピー数を定量した。その結果、AOB-amoA遺伝子は10^4(gene copies/g-dry)程度であったのに対して、AOA-amoA遺伝子は10^6(gene copies/g-dry)程度と、AOBよりもAOAの方が優占していることが推測された。T-RFLPによるAOA-amoA遺伝子の多様性の評価を行ったところ、全ての試料において170bpと223bpにピークが検出され、系列ごとのプロファイルに差異は見られなかった。また、生物活性炭の深さ方向におけるAOB、AOAの分布状況を調査したところ、深さ方向に特徴的な分布は見られず、一様に分布していることが示唆された。更に、逆洗前後の生物活性炭試料について、アンモニア酸化能とAOB、AOAの付着量を比較した。その結果、逆洗前後におけるアンモニア酸化能、AOB-amoA遺伝子及びAOA-amoA遺伝子のコピー数に変化は見られなかった、これらの結果から、通常の逆洗条件では、硝化微生物の顕著な剥離やそれに伴う硝化能の低下は起こりにくいことが示された。
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