2010 Fiscal Year Annual Research Report
FISH法の併用による水のクリプトスポリジウム試験の改良と水域対策への利用の検討
Project/Area Number |
20760366
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
橋本 温 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (30332068)
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Keywords | クリプトスポリジウム / FISH法 / 水環境 / 指標細菌 |
Research Abstract |
本研究では,水環境からのクリプトスポリジウムの検出法にFISH法を併用し,容易かつ的確に同定,判別する方法およびFISH法の最適な反応条件,遺伝子型ごとに適切なプローブの開発および現行の公定法である蛍光抗体染色法との併用についても検討することを目的として実施した。本年度は最終年度であり,昨年度までにプローブの作成と最適な染色方法,現行法との併用法について,論文としてまとめたが(橋本ら(2009)水環境学会誌,32(5),267-272),本年度はその成果をベースに,遺伝子型ごとの識別用プローブの開発および実環境(下水,河川水等)の試料への適用性について検討した。 (1)遺伝子型ごとの識別用プローブの開発 C.parvum genotype 2株用のプローブを作成し,その最適な反応条件を検討した。今回作成したプローブでC.parvum genotype 2のDNAを染色することができた。一方で,次の課題としてヒトを得意宿主とするgenotype 1の染色性について更なる検討が必要であった。 (2)実環境(下水,河川水等)の試料への適用 実環境,特に下水から分離した株への適用と細菌指標(嫌気性芽胞菌)との関係性について検討を行った。夾雑物の多い実環境下では前段のビーズ法による精製が十分になされていない場合には適用性に限界が見られたものの,下水試料への添加実験では染色性が確認された。細菌指標との相関等については,今後本法を用いて更なる実地調査が必要であった。
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