2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の長寿命化を目的とした自己修復コンクリートの実用化検討
Project/Area Number |
20760367
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西脇 智哉 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (60400529)
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Keywords | 建築構造・材料 / 構造・機能材料 / 自己修復コンクリート / ひび割れ / 長寿命化 |
Research Abstract |
平成20年度は、主に二つの項目について検討を行った。第一には、提案する自己修復システムの根幹となる自己診断材料と補修剤保護パイプを一体化したデバイス(以下、連結材ユニット)について、その有効性や作製方法、コンクリートへの埋設方法などについて検討した。その結果、発熱デバイスとなる自己診断材料と保護パイプをヒートブリッジで繋ぐ形で互いに近傍に設置した形となる連結材ユニットでは、速やかな熱伝導が可能となり、ひび割れ周囲への選択的な加熱が可能であることが、3次元熱伝導解析と実験の結果から確認された。また、連結材ユニットとして一体化することにより、型枠内に直接各要素を配置する場合よりも、施工精度やハンドリングの面で大幅な改善がみられた。 第二には、自己修復コンクリートとして材料設計を行うことを可能にすることを目的として、自己修復効果の定量的な評価方法に関する検討を行った。前年度までの研究に引き続き、耐久性の回復を評価することを目的として、ひび割れが存在する状態での水密性について評価・検討を行うとともに、自己修復によって回復される力学特性についても定量評価するための方法を検討した。これには超音波による非破壊試験機を導入し、主に超音波の伝搬速度を計測して補修による変化を連続的に計測・記録し、回復の効果を確認した。ただし、測定方法には改善の余地があり、得られたデータと回復率の関係についても更なる必要と考えられるため、平成21年度にも引き続き、力学特性の定量評価に関する検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)