2008 Fiscal Year Annual Research Report
露出型柱脚の耐力と変形能力のデータベースと柱脚変形を伴う鋼構造建物の地震応答実験
Project/Area Number |
20760368
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 拓海 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (50376498)
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Keywords | 建築構造 / 鋼構造 / 露出型柱脚 / 耐震 / 地震応答解析 / 地震応答実験 / データベース |
Research Abstract |
中低層規模の鋼構造物の柱脚部で多用されている鉄骨露出型柱脚は、建築構造物の耐震性能上重要な部位の一つである。そのため、露出型柱脚の耐震性能に関する研究の歴史は古く、国内外で膨大な研究論文が発表されている。露出型柱脚の構造性能は、エンドプレートの板厚、ボルトの鋼種・サイズ・配置、アンカー深さ、ベースコンクリートの強度と剛性など、各要素の構造性能が複雑に影響し、その結果として接合部全体が複雑な弾塑性挙動を呈することになる。そこで、国内で発表された柱脚変形を伴う鋼構造物の地震応答性状に関する既往の研究論文を調査し、データベースとして整理した。 次に、露出型柱脚を有し、柱脚部の弾塑性挙動、すなわち柱脚変形を伴う鋼構造建物の地震応答性状に関する実験的研究を行った。この種の柱脚変形を伴う構造物の耐震性能に関する既往の研究では、数値解析による解析的研究のみが行われている。そこで本研究では、地震応答実験による実証的検証を試みたものである。このとき、柱脚部は典型的な露出型柱脚のディテールで試験体を製作し、実際に載荷実験を行い、それ以外の建物部分はオンラインに接続したコンピュータ内でシミュレートするオンライン地震応答実験手法により実験を行った。実験結果より、ベースプレートの板厚の違いにより、異なる2つの代表的な弾塑性挙動を示すことを確認し、これらの柱脚部の弾塑性履歴が建物の耐震性能に与える影響について実証的な検討を行った。さらに、実験結果より柱脚部の弾塑性挙動を表す数学モデルを構築し、数値応答解析を行った。実験結果と比較し、解析モデルの妥当性と有効性を示した。
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