2010 Fiscal Year Annual Research Report
非確率論的な不確定性モデルに基づく構造物のロバスト設計パラダイムの開発
Project/Area Number |
20760370
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寒野 善博 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (10378812)
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Keywords | 不確定性 / ロバスト性 / インフォ・ギャップ理論 / 数理計画法 / ロバスト最適化 / 錐計画法 / 極限解析 / 最悪不整 |
Research Abstract |
本研究課題の大きな目標は,非確率論的な不確定性を仮定した構造系に対して,「モデル化法・解析法・設計法」という一貫した方法論を提示することにある.本研究の大きな特徴は,「任意の大きさのばらつき」を破綻なく扱えるロバスト性の解析と設計の理論と解法を開発することにある. 平成22年度は,「任意の大きさのばらつき」に対応できる数値手法として,(1)剛性の制約に対する構造物のロバスト性解析の具体的な手法を開発し,(2)ロバスト性を制約とした構造物の最適設計法として大域的な方法と局所的な方法の二つを提案した.このうち,(1)の手法は半正定値計画と呼ばれる最適化手法に基づく方法である.剛性の指標としてコンプライアンスを用いる場合,適当な仮定の下で,インフォ・ギャップ理論にもとづくロバスト性の定量的な指標を計算する方法を開発した.その結果,二つの設計解のロバスト性を合理的に比較することが可能となる.次に,(2)のロバスト最適設計法として,二つの相補的な数値手法を提案した。つまり,整数計画を用いて厳密な解を求める大域的な手法と,非線形計画を用いた局所的な手法の二つである.大域的な手法の適用範囲は小規模な問題に限られるが,得られた最適解からロバストな設計の性質を考察したり,局所的な手法の性能の評価するために有用である一方,局所的な手法で得られる解は一般に局所解であり大域解である保証はないが,一般の非線形計画のアルゴリズムが適用可能であるため,大域的な手法よりも規模の大きな問題に適用可能である.
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