2008 Fiscal Year Annual Research Report
載荷履歴を受けたRC・SRC部材の補修後性能に関する研究
Project/Area Number |
20760375
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤永 隆 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環都市安全研究センター, 准教授 (10304130)
|
Keywords | 鉄骨鉄筋コンクリート / 非充腹型 / 格子型 / ひび割れ / 樹脂注入 / ポリマーセメントモルタル |
Research Abstract |
耐震補強に関する研究の多くは, 既存不適格建築物をモデル化した健全な部材(あるいは骨組)に対して補強した試験体に基づく知見であり, 載荷履歴(地震履歴)を受けた部材に関するものは非常に少ない. 既往の実験においても終局状態まで載荷した試験体の補修実験がほとんどである. 補修・補強による耐震性能を評価する為には, 載荷履歴を受けた部材による実験的研究が必要であり, 今回格子型鉄骨を内蔵した非重複型鉄骨内蔵SRC柱を3体製作した. まずは健全部材に対しての載荷実験(1次載荷)を行い, その後1次載荷で損傷した部分の補修を行い, 再度載荷(2次載荷)を行った. 実験パラメータは1次載荷の損傷レベルとし, 1)変形量小 : 降伏荷重レベル, 2)変形量中 : 最大荷重レベル, 3)変形量大 : 最大荷重後降伏荷重まで低下レベル, の3種類を設定した.変形レベルによる破壊状況を考慮し, 補修方法も検討している(変形量小・中 : クラックへの樹脂注入, 変形量大 : ポリマーセメントモルタルによる断面成型+クラックへ樹脂注入).実験結果の検討より, 補修後の部材において初期剛性の低下があること, 最大水平耐力が向上することを確認している. また, 損傷レベルによって剛性の低下率や最大水平耐力の向上率に影響があることも確認している. これは今後, 動的な時刻歴応答解析によって補修後の動的性能を確認する際の基礎資料となる. また, ひび割れ幅と残留変形量を各変位振幅で観察しており, クラックへの樹脂注入による補修における補修性の指標となるデータを得ている.
|
Research Products
(1 results)