2009 Fiscal Year Annual Research Report
CFT柱-H形鋼梁接合部におけるスラブの合成効果を考慮した梁の塑性変形能力評価法
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20760379
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
城戸 將江 The University of Kitakyushu, 国際環境工学部, 講師 (10453226)
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Keywords | 柱梁接合部 / 梁ウェブ / 曲げ耐力 / 塑性変形能力 / 鋼・コンクリート合成構造 / コンクリート充填鋼管 |
Research Abstract |
鉄骨構造の耐震設計,特に大地震に対する設計では,梁を降伏させ,それにより消費されるエネルギーにより倒壊防止を期待しており,梁が降伏後にねばり強く抵抗できるよう十分な塑性変形能力を有していることが重要である.そこで,柱が円形鋼管の場合と円形鋼管にコンクリートを充填したコンクリート充填円形鋼管(円形CFTとよぶ)の場合について,それらに接続される梁の最大相対塑性回転角を計算した.これは,塑性変形能力を評価するひとつの指標である.中空円形鋼管柱の場合と円形CFT柱の比較を行うと,最大相対塑性回転角の値はCFT柱に取り付く場合のほうが大きいことを示した. また,この塑性変形能力を適切に評価するためには,梁ウェブ接合部の曲げ耐力も適切に評価する必要がある.角形CFT柱に取り付く梁ウェブ接合部の曲げ耐力評価式は,解析により得られたものがあるのみで,実験によりその評価式の精度を確認することが必須である.そこで,角形CFT柱とH形鋼梁からなる柱梁接合部の構造実験を行った.梁ウェブ接合部の曲げ耐力に影響を及ぼすと考えられる,梁のせいと柱幅の比(パネルアスペクト比),柱鋼管の寸法と板厚の比(幅厚比),コンクリート充填の有無,溶接のために梁の端部に設けるスカラップの有無を実験変数とした.試験体はすべてで8体である. 実験の結果,すべて梁の局部座屈により耐力が決まった.幅厚比による比較,コンクリート充填の有無による比較,スカラップの有無による比較を,最大耐力について行ったが,差異は顕著ではなく,耐力だけに着目すると,これらの実験パラメータによる顕著な影響は見られないことがわかった.
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