2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760381
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
中治 弘行 Tottori University of Environmental Studies, 環境情報学部, 准教授 (80314095)
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Keywords | 伝統構法木造建物 / 限界耐力計算 / 耐力要素 / 土塗り壁 / 復元力特性 / 壁幅 / 正負繰り返し加力実験 / 損傷状況 |
Research Abstract |
本研究では、伝統構法木造建物の構造設計を限界耐力計算で行う際に用いられる各種耐力要素の復元力特性のうち、特に、土塗り壁の復元力特性について、根拠となる実験データをさらに充実させることを目的とした。2008年度に引き続き、竹小舞の間隔を3cm程度と広くした壁幅が910mm(1P)、1820mm(2P)、2730mm(3P)、455mm(0.5P)の無開口土塗り壁について、各1体のせん断加力実験を追加して行い、荷重と変形の関係、壁面や接合部の損傷経過を記録し、2008年度の実験結果と比較した。また、壁幅2Pの土塗り垂れ壁付木造軸組架構(2P小壁)ならびに、2P小壁の片側に1Pの全面壁がついた連成構面と2P小壁の両側に0.5Pの全面壁のついた連成構面の3種類の土塗り壁を有する木造軸組架構についてもせん断加力実験を行い、連成構面の復元力特性について加算則を検証した。柱仕口は伝統的な長ほぞ込栓接合として、鳥取県内の大工・左官による通常の工法での作製を依頼し、この地域の工法が土塗り壁を有する木造軸組架構の耐力特性に与える影響を検討した。 実験の結果、他地域の工法による土壁同様、最大耐力は壁幅に比例する傾向にあること、および、耐力の増大に伴い柱脚が引き抜き損傷を生じやすいことが明らかとなった。また、竹小舞の間隔が、壁土のひび割れ損傷や剥落の生じやすさに影響を大きく与える傾向が観察された。 2P小壁を含む連成構面の実験結果から、連成構面の復元力特性について、非線形領域に至るまで各要素の復元力特性の加算により推定することが可能であることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)