2008 Fiscal Year Annual Research Report
上空気象データを用いたヒートアイランド対策技術導入効果の簡易評価方法の開発
Project/Area Number |
20760388
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹林 英樹 Kobe University, 工学研究科, 准教授 (80304129)
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Keywords | ヒートアイランド / 対策技術 / 気象データ / 評価方法 / 接地境界層 / クールルーフ / 屋上緑化 / 気温 |
Research Abstract |
大阪市から東大阪市までの都市化した地域を対象として、大阪湾周辺の海岸付近から生駒山に近い内陸へかけた4箇所の鉄塔に気象測定器を設置し, 都市上空気象データ及びその直下の気温の連続測定を実施した. 測定結果の解析より, 海風の進入時間の遅れ, 海風の進入に伴う気温への影響, 上空気温と地上気温の関係, などに関して検討を行った.その結果, 海風の風向の場合に, 海岸付近の気温は上空, 地上ともに内陸より2〜4℃程度低温になっており, 上空風速も難波で海岸付近の6割程度, 内陸の荒本と石切で4割程度となっていた. 夜間には内陸で陸風となるが, 海岸付近では海風が継続する場合があることなどが確認された. 上空温位と地上温位の温度差は、夜間はほぼ0で、日中には1〜2℃程度地上付近が高温となっていた. この上下温位差と上空風速に基づき地上付近から上空へ伝達される接地境界層の顕熱流の熱伝達率を算定した. 地上付近から上空へ向かう顕熱流の熱伝達率は, 日中に100W/m^2Kを超える値となり, 夜間にはその半分以下程度となった. このことは, 同じ付加発熱量を想定した場合であっても日中と夜間で気温上昇量に2倍以上の差が生じることを意味している. この値に基づき, ヒートアイランド対策技術を導入した場合の気温低下量を試算し, 屋上緑化やクールルーフ等の日中に効果を発揮する対策技術と, 人工排熱対策などの夜間にも効果が期待される技術の, 簡易な相互比較の方法を提示した.
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Research Products
(4 results)