2008 Fiscal Year Annual Research Report
居室における調湿性能を示す新たな指標の提案と現場測定法の開発
Project/Area Number |
20760393
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
三田村 輝章 Ashikaga Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10406027)
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Keywords | 実験 / 現場測定 / 調湿効果 |
Research Abstract |
本年度の研究では, (1)住宅における熱損失係数の現場測定法の考え方を拡張して, 居室における調湿性能を現場測定により把握する方法を考案・確立する, (2)居室における調湿性能を表す新たな数値指標を提案することを目的として, 小型チャンバーを用いた実験を実施した。小型チャンバーは, 足利工業大学構内の人工気候室内に設置し, 試験室内(チャンバー周囲)は気温25℃, 湿度50%に設定した。実験は, チャンバー内の温湿度変化を計測すると同時にチャンバー内の換気量を測定することによって水分収支を把握し, 室の調湿性能を評価するものである。実験手順は, 実験開始まではチャンバー内を人工気候室に対して開放し, 実験開始と同時にチャンバーを閉鎖して, 5時間の加湿を行い, 加湿停止後は5時間以上成りゆきとした。実験条件は, 居室における周壁や家具などの吸放湿体を模擬した無機質系調湿パネルの設置条件とチャンバー内の空気攪拌の条件による計5ケースを設定した。また, 実験結果の評価は, (1)換気及び吸放湿体が無い場合の湿度変動, (2)換気有りで吸放湿体が無い場合の湿度変動をシミュレーションにより算出し, これらの計算結果と換気及び吸放湿体がある条件での実験結果を比較することにより, 水分収支を把握することにより行った。その結果, 吸放湿体の無い条件の結果から吸放湿量の実験誤差の大きさを確認することができ, それらを用いて実験値を補正することにより, 吸放湿量を精度良く算出出来ることがわかった。また, 今回の実験結果からは, チャンバーの容積が小さかったため, 空気攪拌の影響は明確にみられなかった。
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