2008 Fiscal Year Annual Research Report
ペーパレス時代の黒板と机:CAD図面指向の建築設計エスキース・ルームウェアの構築
Project/Area Number |
20760408
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 裕司 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (60379071)
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Keywords | ルームウェア / 設計会議支援環境 / インターフェイス / CAAD / 遠隔地間協同設計 |
Research Abstract |
1. 紙図面とプロジェクターを用いた予備実験より既存環境の問題点と、ディスプレイ配列によるディスプレイテーブル(以下DT)の要求条件を整理した。 2. デザイン初期段階における発想プロセスをみるための観察実験を行い、嗜好・経験・知識が発想プロセスに与える影響と、手元のスケッチがどのような発想媒体となっているかの知見を得た。 3. 2を受けて、DT-Iと同様の機器(6面の液晶ディスプレイ)を用いて、トピックビジュアライザーを開発した(計画を変更し、DT-Iの開発を少し遅らせた)。会議参加者の頭上にディスプレイを、手元にカメラを配置し、個人のメモを共有することにより、個人と集団の思考の架け橋となりうることを確認した。 4. 1の結果を受けて、DTとは別の方法により、図面表示解像度の問題を解く方策を得たので、テーブルトップスコープを開発した。テーブル全体を撮影して任意の表示領域(例えば図面の一部)を示す二つのマーカー(印)を検知する「親カメラ」と、検知されたマーカー部分に移動・拡大して高解像度で撮影する「子カメラ」からなるシステムにより、既存環境(プロジェクター)の問題をある程度補うことができることを示した。一方では、図面一覧性の要求が高いことが分かり、DTの必要性を再確認した。 5. 研究の主題であるCADの動向を調査し、最新のCAD=Building Information Molderingツールにおける、3Dモデルと図面との活用方法について考察した。 6. 当初計画より少遅れたが、1〜5の成果に基づいて、ディスプレイテーブル(DT-I)の開発を行った。予備実験より、視野角についても配慮する必要性を確認し、現在改良中である。当初計画の日常的使用の観察実験には至っていない。 7. オフィス観察調査からは、特に次年度(21年度)開発予定の壁利用によるコラボレーション支援に関する示唆をえた。
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