2009 Fiscal Year Annual Research Report
ペーパレス時代の黒板と机:CAD図面指向の建築設計エスキース・ルームウェアの構築
Project/Area Number |
20760408
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 裕司 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (60379071)
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Keywords | ルームウェア / 設計会議支援環境 / インターフェイス / CAAD / 遠隔地間協同設計 |
Research Abstract |
1. 昨年度に予備開発を行ったトピックビジュアライザーは、会議参加者の頭上にディスプレイ(計6面)と、手元にカメラ(計6台)を配置し、個人のメモを共有するシステムである。この装置の改良を進め、会議実験の発話分析からデザインエスキースにおける有効性を確認した。 2. デザイン初期段階におけるグループにより発想プロセスをみるための会議観察実験を行い、「教示(口頭により創造的に発想することを伝えること)」がグループの発想プロセスに与える影響に関する知見を得た。 3. エスキースにおいて、予め設定した話題と進行(=アジェンダ)を参加者で共有することを支援する壁掛けツール(ホワイトボードとタイマー表示)を開発した。実験から期待した効果を確認するには至らなかった。 4. 遠隔地間での図面を利用したエスキースにおいて、直感的に指示する箇所(=話題の中心)を共有するための、デコボコディスプレイのプロトタイプ(小型版A3サイズ)を開発した。この装置は、プロジェクターにより図面を投射した面上を指で押すことにより、遠隔地の同様の図面上の箇所が押し出される装置である。 5. 上記3のデコボコディスプレイ小型版の試用実験により、今後の大型化(=壁面利用)に向けた可能性と課題点を抽出した。コスト面の問題が残されたので、実装方法の再検討を進める必要がある。 6. 大型液晶ディスプレイにおいて、マルチタッチ操作による図面の参照を行うためのミドルウェアの開発に着手した。 7. デザインの現場であるオフィス観察調査からは、最終年度(22年度)開発予定のコラボレーションを支援するルームウェアに関する示唆をえた。
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