2008 Fiscal Year Annual Research Report
新たな農地利用を通じた都市近郊農地の保全に関する研究
Project/Area Number |
20760410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 祐 Osaka University, 大学院・工学研究科, 助教 (90444562)
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Keywords | 都市近郊 / 農地 / 農家 / 農地利用 / 市街化区域内農地 / 都市農業 / GIS |
Research Abstract |
生業である農業以外の新たな農地の利用を通じた都市近郊農地の保全の可能性を明らかにするため、1.農地の分布、規模、市街地との距離など都市近郊農地の存在形態の特徴の把握、2.新たな農地利用の取り組み事例の概要把握、3.新たな農地利用の取り組み主体へのヒアリング調査を実施した。 北摂地域を対象として土地利用データを用いてGISによるメッシュ分析を行い、農地の存在形態について10の類型が得られた。市街地内に農地が小規模に分散する地区が3類型で面積割合51.8%と最も多く、一方集塊性の高い農地と市街地が併存する地区は3類型で28.3%にすぎず、市街地内で小規模に分散する農地に対する方策の検討の重要性を明らかとした。 行政へのアンケート調査の他、WEBサイト、書籍などから新たな農地利用の取り組み事例を把握するとともに、その概要を把握した。具体的な取り組み場所を把握することができた43事例についてマッピングし、法規性とオーバーレイすることで、分布の特徴を把握した。 さらに先進的な取り組み6事例を対象として実施主体に対するヒアリング調査を実施した。ヒアリング結果から、継続して新たな農地利用を続けるためにはその所有のあり方によるところが大きく、取り組み主体が所有していたり農家との密接な信頼関係を構築することが不可欠であることが明らかとなり、農地所有者である農家と取り組み主体をつなげるコーディネータの重要性が明らかとなった。また、コーディネータはこれまで行政によるところが大きかったが、民間の任意団体が担っている事例もあり、ヒアリング結果から、実績を上げつつありさらに農家と取り組み主体の両者からのニーズも高いことが把握され、その重要性を明らかにした。
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Research Products
(1 results)