2009 Fiscal Year Annual Research Report
歩行者の回遊行動誘発空間の創出による時間消費型の中心市街地再構築に関する研究
Project/Area Number |
20760412
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
姫野 由香 Oita University, 工学部, 助教 (10325699)
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Keywords | 中心市街地 / 路地 / パサージュ / 歩行者 / 回遊 |
Research Abstract |
H21年度は、歩行者の追跡やアクティビティ調査により、どのような特性を持つ通り抜け空間が、歩行者の如何なる行動を誘発するのかを明らかにした。さらに、路地空間に関連する建築基準法並びに都市計画法の整理と、立て替えシミュレーションにより、路地空間の健全な維持における課題を把握した。 1. 歩行者のアクティビティ調査 前年度までに得られた各通り抜け空間の類型ごとに、実際は歩行者が通り抜け空間をどのように利用しているのかを整理しその傾向をまとめた。 2. アクティビティと空間・構成特性の関係 商業街路における既往研究の成果に加え、通り抜け空間の物理的特性と歩行者の評価とアクティビティの関係を探った。その結果、路地空間を構成する建物用途は商業よりも住宅である程、また幅員は1.8m以下の路地において、立ち話や家事行為等の多様な活動が観察されることが明らかとなった。また、路地の階層性にも着目し、階層が深い程(街区を形成する4m以上の道路との距離が遠い程)路地空間への生活要素のあふれだしが多いことも明らかとなった。 3. 都市計画法・建築基準法による路地空間の健全な更新可能性と課題 路地空間の関連法として、都市計画法ならびに建築基準法に着目し、現在の法律下において路地空間を健全に存続させるための方法を整理し、対象地域内の路地において立て替えシミュレーションを行った。また、路地空間を存続させながら建物更新を行った他地域の事例も整理把握し、現在の法律下における課題を明らかにした。
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