2008 Fiscal Year Annual Research Report
災害関係者の経験に基づく豪雨災害復興課題の俯瞰的構図に関する研究
Project/Area Number |
20760414
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 光弘 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 准教授 (60363610)
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Keywords | 減災 / 洪水 / 自然災害 |
Research Abstract |
本年度はまず、これまでに収集した国県及び市町の災害関連資料、報道記事より復興年表の作成を行い、災害直後からの時系列変化による災害関係者の動向を顕在化した。次に、復興年表とこれまでにさつま町で行ったヒヤリングの内容を基に、災害関係者の経験を包括的に含む単語(復興キーワード)を洗い出し、KJ法を用いて復興キーワードのグルーピングを行い、時系列毎、災害関係者の属性毎に整理し、復興キーワード一覧表として作成した。その後、さつま町と北秋田市に赴き、復興年表と復興キーワード一覧表を被災者が記憶を辿るためのコミュニュケーション・ツールとして、被災地区自治会長や被災商店主、市町の職員等を対象にヒヤリングを行った。さつま町では災害時の行動から2年に至るまで(2006年7月から2008年8月)、北秋田市では災害時の行動から1年に至るまで(2007年9月から2008年8月)の災害関係者の動向を把握した。ヒヤリングより災害関係者それぞれの災害経験情報を詳細に記載していき、災害ヒストリーとしてまとめ、得られた27件の災害ヒストリーより再び復興キーワードの抽出を行うことで不足していた情報を補足した。その後復興課題の構図化を行う初段として、災害関係者の経験から得られた情報と抽出した復興キーワードより、復興過程の流れを明らかにすると共に、その時々の災害関係者の関わりを構図化していき整理した。以上の成果物は、これまで十分に活用されてこなかった災害関係者がもつ復興経験の情報を、復興の課題とノウハウとして整理・蓄積し、豪雨災害復興における早期復興・被害軽減のため、その情報提供に向けたシステム作成の雛型として重要な役割をもつ。
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