2008 Fiscal Year Annual Research Report
古代地中海世界のヘレニズム期の磨崖墓の地域性と時代性に関する研究
Project/Area Number |
20760425
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 明純 Muroran Institute of Technology, 工学部, 助教 (00344549)
|
Keywords | 磨崖墓 / 墓 / 古代ギリシア建築 / ギリシア / イタリア / ヘレニズム / 地中海世界 / 西洋建築史 |
Research Abstract |
本研究の目的は、古代地中海世界のヘレニズム期の墓の体系化に向けて、建築形態、建築技術、設計法の観点から、磨崖墓の地域性や時代性を明らかにすることにある。これに向けて、平成20年度は、研究対象をギリシア本土とイタリアとし、建築形態、建築技術、設計法の観点から検討を行った。 建築形態の比較検討では、ヘレニズム期の磨崖墓の調査報告書、及び現地での視察によって得られた情報や写真資料を用いて、磨崖墓の形態的特徴を整理し、各時代、各地域について比較研究を行った。これにより、各時代、あるいは各地域における磨崖墓のファサードの形態的な特徴などを明らかにすることができた。 建築技術の研究では、ヘレニズム期の磨崖墓の調査報告書、及び現地での視察によって得られた情報や写真資料を用いて、磨崖墓の施工上の特徴を整理し、各時代、各地域について比較研究を行った。その結果、上記の形態的特徴に地域差が見られた原因として、磨崖墓の建築技術上の特徴が関係している可能性を把握することができた。 設計法の検討では、神殿建築等の他種の地中海建築の設計法を参考に、ヘレニズム期の磨崖墓の調査報告書を用いて、寸法データの掲載された報告書が入手できだヘレニズム期の磨崖墓の設計法を明らかにした。 なお、上記、「建築形態の比較検討」、「建築技術の研究」、「設計法の検討」によって得られた研究結果の具体的な内容については、現在論文としてまとめており、日本建築学会計画系論文集に投稿する予定である。
|