2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Research about process of architectonics at the Meiji era considered from higher education
Project/Area Number |
20760426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
TSUNODA Mayumi The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 技術専門職員 (20396758)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 工学史 / 建築教育 / 工学教育 / 美術教育 / 図学 / 模写 / 工部大学校 / 工科大学 |
Research Abstract |
(1)本研究の目的は、工学教育確立期より発達期における建築教育の実態を探ることで、工学および建築の認識、学の成立を解明することにある。 日本における工学高等教育は、明治6年に開学した工学寮(明治10年より工部大学校)を出発点とし、後を引き継ぐ帝国大学工科大学へと受け継がれ、その後に設立された京都帝国大学を始め、多くの高等教育機関により支えられてきた。研究代表者は以前より高等専門教育に関心を持ち、工部大学校・東京帝国大学工科大学の教育課程に関する情報収集を進めてきた。一方これらの研究を通して、経済社会状況はもとより、旧制高等学校(高等中学校)における工学基礎教育の重要性、美術教育との相関性を探る必要性を強く感じた。そこで本研究においては、第一高等学校などの旧制高等学校、東京美術学校、京都高等工芸学校などの専門教育機関との関連を複合的にみることで、どのような人材により、どのような教育がなされていたのか。何を身につけることが出来たのか。教育からみることで、当時共有されていた知識や技術が明らかになると考える。この視点は従来の個別研究では欠けていた部分であり、このことは、日本における建築教育学はもとより、さらには近代建築学、工学分野全体の大きな関心事項であると考えられる。 (2)研究の方法として、大きく以下の3点が挙げられる。 (1)書き記された講義録、ノートの分析 既に所蔵が明らかになっている講義ノートを対象として、書き起しを行った上で、内容の分析を行う。 (2)現物資料の調査 実測図面、模写図、大工道具など当時作成された、もしくは使用した資料の調査を行い、実際に行われていた教育の実態を解明する。 (3)関連する他機関での教育内容の解明 各学校で毎年発行されていた『学校一覧』をもとに講義内容の復元作業を行い、その上で人的交流などを含め複合的にとらえ、当時の建築学の発展過程を総合的に描く。
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