2008 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的建造物と現代建築のデザインの融合-フランスにおける再構築事例に関する考察-
Project/Area Number |
20760428
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三田村 哲哉 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (70381457)
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Keywords | 歴史的建造物 / 現代建築 / デザインの融合 / フランス / 再構築 / パリ / 建築造形 / 建築意匠 |
Research Abstract |
本研究はフランスで高く評価されている歴史的建造物の再構築において、現代建築の要素を積極的に導入した作品の企画及び造形の特徴を明らかにするために計画された。初年度、パリ及び地方都市において実施した実地調査および文献調査で明らかとなった成果は以下の3点である。第1点目は歴史的に価値のある建造物の再構築にも、今日要求される高度な機能や環境を満たすための建築設備やインテリアのみならず、そのレベルを超えて建築そのものの構造や造形に深く関わる部分にも、現代建築特有の要素やデザインが積極的に導入された作品を確認した点である。第2点目はこうした建築の再構築では保存、修繕、増築、減築、復元、転用などの建築操作のあらゆる手法を組み合わせつつ、歴史的建造物が有する潜在的な価値や魅力を掘り起こすとともに、現代の技術や美観に基づいた新たな意匠を付加することによって、これまでの建築保存に留まっていたもの、または単なる新築の建築とも異なる新たな建築が生まれている点である。第3点目は建築の再構築の基本が柱や梁などの構造体から、絵画や彫刻に至る装飾まで幅広い部位や作品が保存の対象となっていることには全く変わりがないため、度重なる再構築の繰り返された建築が、各時代特有の様式や造形を兼ね備えた作品に生まれ変わっている点である。したがって今日、歴史的建造物の再構築の際、将来の再構築において保存の対象となるものを積極的に導入することが求められている。
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