2010 Fiscal Year Annual Research Report
近代期朝鮮半島における名所型住宅地、別荘地の開発実態とその生活
Project/Area Number |
20760432
|
Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
砂本 文彦 広島国際大学, 工学部, 准教授 (70299379)
|
Keywords | 朝鮮半島 / 郊外住宅地 / 京城 / ソウル / 明水台 / 1930年代 |
Research Abstract |
本研究は、朝鮮半島における「植民地下の余暇性を伴う住空間の形成」について、名所型住宅地、別荘地の開発実態とその生活像から調査研究し、近代建築史・都市史に新しい一面を示そうとするものである。平成22年度も引き続きソウル市等にて現地調査、文献調査を4度に分けて実施した。また東京でも文献調査を1度、実施した。 文献調査では新聞資料、各種統計資料の収集を実施するとともに、それらの突き合わせ作業を実施した。現地調査では、住宅営団住宅地の踏査、民間開発による郊外住宅地の踏査、土地区画整理地に於ける韓屋住宅地の踏査などを実施した。 また、京城という都市の形成過程における名所の形成過程の把握と住宅地形成への取り込み過程を、文献上から把握したうえで、現地踏査を行ったが、現状として残されている遺構に限りがあるため、状況の把握にはまだほど遠い。今後は、戦前のみならず戦後の各種資料調査から、立体的、かつ、経過観察的な検討を加えていくことで長期にわたる空間形成の変遷を把握していきたいと考えている。 今年度は学術発表などの成果公開が一件もなかったが、科学研究費補助金の最終年度となる来年度はこれまでの調査活動を総合して、数件程度の成果公表を考えている。また、近年はソウルでは大規模の近代建築のみならず、近代期の住宅見地が保存・再生活用の対象となりつつあり、こうした動きへの情報提供、学術貢献も可能となるよう、調査結果の考究を重ねている。
|