2008 Fiscal Year Annual Research Report
金/ペロブスカイト結晶ナノ・ヘテロ触媒の界面構造解析
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20760440
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
市川 聡 Osaka University, ナノサイエンス・ナノテクノロジー研究推進機構, 特任助教 (80403137)
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Keywords | ナノ粒子触媒 / 透過電子顕微鏡 / 電子線ホログラフィー |
Research Abstract |
Auナノ粒子触媒は, サイズ依存性だけでなく顕著な担体依存性を示すことが知られている. 担体との界面近傍でのAuナノ粒子の電子状態の変化が一因となっていると考えられている. それ故, 担体とナノ粒子の界面ストイキオメトリ, 面方位, 格子定数の差などが重要と考えられる. Auよりも4.3%格子定数の小さいSrTiO3ペロブスカイト結晶に着目し, ナノヘテロモデル触媒を作製し, TEMを用いた界面での方位関係の高分解能観察, 電子線ホログラフィー法による平均内部ポテンシャルの評価を行った. SrTiO3<001>単結晶をTEM観察用にイオン研磨によって薄片化した後, Auを真空蒸着によって担持し, Au/SrTiO3モデルナノヘテロ触媒を作製した. 格子ミスマッチはAu/TiCの6.1%と比べて小さいにもかかわらず, エピタキシャルな関係にあるAuナノ粒子は見られなかった. このことは, レナード・ジョーンズ原子間ポテンシャルのモデルと同様に, 圧縮歪みは, 引っ張り歪みと比べて, Auナノ粒子内部に導入しにくいことを示している. また, サイズの小さい金粒子では, Au/TiO2, Au/TiC系と同様に平均内部ポテンシャルが34Vとなりバルクでの値(21-23V)と比べて大きな値となることがわかった. 界面の格子定数差による内部歪みよりも, 界面のストイキオメトリの方が, 平均内部ポテンシャルに与える影響が大きいことが推測される.
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Research Products
(1 results)