2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760444
|
Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
樋口 健介 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 研究員 (10462897)
|
Keywords | 溶融金属 / 拡散係数 / 無容器法 / 強磁場利用 |
Research Abstract |
本年度の課題は、In-Snの融点(約550K)直上からの温度(~1000K)までの温度範囲で浮遊拡散実験を行い,濃度分布を中性子CTで測定し,対流の影響が充分に低く拡散が観察できたら,その濃度から拡散係数を算出し,従来法による報告と比較することにより,無容器による拡散係数測定が可能かどうかを判別することにあった. しかしながら,まずJAEAのJRR-3で拡散浮遊プロセス後の濃度を中性子CTで観測する予定だったが,原子炉の不調により今年度の実験が行えなくなってしまった.かわりに浮遊溶融凝固後の試料を研磨して、中心付近の断断面をX線顕微鏡で蛍光スペクトルを検出することよってInとSnの濃度分布を見ようとしたが,ここでもX線顕微鏡の不具合で濃度分布を得ることが出来なかった. 一方,浮遊拡散プロセスにおいては,LEDライトなどで試料付近を明るくし,カメラの光軸調整を行ったが,融点付近では視界が不充分で,ガスジェットで浮いているかどうかの判別もできず,今年度購入した403~1027Kの間で測定できる低温型放射温度計でも融点が確認できなかった。また昨年度からの問題として,ガスジェット浮遊での試料の変形も改善には至っていない. 今後は,強磁場内でも使用できる光源の確保と,カメラの光軸の改善,試料を小さくなる(表面張力で球状になる)のと同時にガスコントロールを改善して試料変形の問題を解決するのが課題である.
|