2010 Fiscal Year Annual Research Report
高耐久性および波長変換機能を有する太陽電池用窒化物セラミックスパッケージの開発
Project/Area Number |
20760445
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末廣 隆之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (20421406)
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Keywords | 窒化物 / セラミックス / 太陽電池 / ルミネッセンス / 元素戦略 |
Research Abstract |
従来にない高耐久性を具備した太陽電池用AlNセラミックスパッケージの実現に向けた基盤技術の創出を目標に、独自のアルミナ還元窒化法(GRN)を駆使した易焼結性AlN超微粒子原料の合成プロセス確立と新規焼結プロセスの検討、およびMn付活によるフォトルミネッセンス特性の発現と発光特性向上に関する基礎的研究を推進した。 紫外-可視拡散反射スペクトル測定の結果から、GRNプロセスにより合成されたAlNナノ粒子はMn付活の有無およびドープ濃度に依らず、フォトルミネッセンススペクトルにおける励起帯に対応する~5 eVを中心とするエネルギー領域に強い光吸収を示すことが確認され、AlN格子中の酸素不純物欠陥準位に由来する吸収帯であることが明らかとなった。 電子線励起によるカソードルミネッセンス測定を実施した結果、Mn中心による赤色発光に加えて3.2 eV(~390nm)付近の固溶酸素由来の欠陥準位による紫発光帯が明瞭に観察された。紫発光帯の強度はMnドープ量の増大に従い低下することが確認され、欠陥準位からMn発光中心への励起エネルギーの移動が生じることを直接的に示す実験結果が得られた。 前年度までに実施したフォトルミネッセンス測定データを含む多角的なスペクトル測定結果の解析により、不純物酸素欠陥準位による励起エネルギー吸収・移動を利用した発光機構が明らかとなり、本材料における波長変換効率向上の指針となる基礎データの構築が達成された。
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