2009 Fiscal Year Annual Research Report
原子的に平坦なダイヤモンド(111)表面の大面積形成及びその機能の創出
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20760455
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徳田 規夫 Kanazawa University, 電子情報学系, 助教 (80462860)
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Keywords | ダイヤモンド / 半導体 / 結晶成長 / 表面制御 / 標準試料 |
Research Abstract |
ダイヤモンドはバンドギャップが5.5eVもあるにもかかわらず、水素で終端されたダイヤモンド表面は2次元ホールガス状の伝導層が形成されることが知られている。そこで、ダイヤモンド表面を原子レベルで平坦にすることで、表面ラフネスによる散乱を抑制し、現在報告されている表面伝導層の移動度の向上を狙った。 本年度の研究計画は、原子的に平坦なダイヤモンド(111)表面の機能の創出を目的に、(1)原子的に平坦な表面の安定性の検討、(2)原子的に平坦なダイヤモンド表面の伝導層に関する研究であったが、ダイヤモンドの表面制御に関して想像以上の成果が出たので、(2)のテーマよりも表面制御のテーマを優先した。 (1) 水素終端ダイヤモンド表面の原子レベルの平坦化に成功した。そして、表面の平坦性に関する経時変化の有無をAFMを用いて評価した。その結果、半年経過しても表面の平坦性は維持されることが分かった。 (2) ダイヤモンド表面を原子レベルで制御しナノ構造を選択的な場所に形成することに成功した。そして、そのダイヤモンドのナノ構造を用いた"ナノメートルスケールのものさし"を提案した。その成果は、Applied Physics Expressに掲載され、2009年4月期のTop 20 Most Downloaded Articlesに選ばれた。また、赤旗(2009/4/26朝刊14面)、日本計量新報(2009/5/24朝刊4面)にも、そのダイヤモンドものさしに関する記事が掲載され、JR東日本企画「トレインチャンネル」の番組内でも"世界最小のダイヤモンド製ものさし"として、JR中央線及び京浜東北線のドア上モニターで紹介された。また、表面技術協会 第120回講演大会にて口頭発表を行い優秀講演賞を受賞した。
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Research Products
(5 results)