2009 Fiscal Year Annual Research Report
両性イオン界面活性剤を用いた単分散カーボンナノチューブ内包型多孔質シリカの創製
Project/Area Number |
20760458
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅田 純子 Osaka University, 接合科学研究所, 特任研究員 (50345162)
|
Keywords | 複合粒子 / 多孔質シリカ / カーボンナノチューブ / 籾殻 |
Research Abstract |
本研究で開発したハイブリッドシリカ粒子は用途により要求される粒子径が異なるため,その制御方法を検討した.シリカ粒子をロッキングミル粉砕装置にて乾式粉砕加工を試みた結果,粉砕時間を調整することで平均粒径を1μm~100μmといった広範囲での粒子径を作製できることを確認した.さらに昨年度の研究で得られたカーボンナノチューブ(CNT)内包型多孔質シリカ粒子を金属への分散強化粒子として利用すべく,マグネシウム(Mg)粉末に添加し機能評価を行った.先ず,CNTの単分散化に必須な界面活性剤は,固形皮膜として金属粉末表面に残存するため完全に分解・除去する必要がある.そこでAr-20%H_2混合ガス雰囲気下での550℃熱処理前後における試料中の全炭素含有量をICP発光分光分析により調査した結果,熱処理前では全炭素量0.013mass%に対し,熱処理後では0.003mass%にまで減少しており,温度および雰囲気を管理することで界面活性剤の高分子皮膜を完全に熱分解できると考える.そこでCNT内包型シリカ粒子と純Mg粉末を乾式ロッキングミル装置にて混合し,この混合粉末を油圧プレス機にて粉末成形体を作製し,放電プラズマ焼結装置を用いて,成形体を加熱・加圧し円盤状焼結体を作製した.この焼結体をピンオンディスク式摩耗試験装置にて摩擦摺動特性を評価した結果,Mg材料の課題である相手材との凝着現象とアブレッシブ摩耗を抑制でき,摩擦係数の低位・安定化が可能であると共に,摩耗損傷量が著しく低減できることを確認した.これはシリカの連結空孔内に単分散状態で配列したCNTがMg基焼結体の摩擦摺動特性の向上に大きく寄与したためと考えられる.以上の結果より,CNT内包型ハイブリッドシリカ粒子は,その特徴である高剛性・低フリクションを損なうことなく金属への強化粒子及び低摩擦促進剤として利用できる可能性を示した.
|
Research Products
(1 results)