2008 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度放射光X線による三次元結晶方位解析手法の開発
Project/Area Number |
20760466
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 正和 Toyohashi University of Technology, 工学部, 講師 (20378243)
|
Keywords | 放射光 / トモグラフィー / X線回折 / 結晶方位 / アルミニウム合金 / 三次元 |
Research Abstract |
本研究では, 三次元で金属材料の変形・破壊メカニズムを明らかにするために, 高輝度な放射光を使ったコンピュータトモグラフィー(CT)と併用できる三次元結晶方位解析法を確立することが目的である。これまで三次元で結晶方位情報を含めて金属材料の変形・破壊を評価することは誰もできていない。本年度の具体的な研究実施事項は以下の通りである。 日本の放射光施設SPring-8でAl-5wt%Cu合金のCTと共にX線回折実験を行った。通常CTに用いられている回転ステージやディテクター等で実際に回折実験が可能なことを確認した。得られたデータを元に, SPring-8における回折実験の画像データをハンドリング, 実験結果を表示するソフトウエア群を開発準備した。7月から, 豊橋技術科学大学若手研究者育成プログラムで, デンマークのRiso National Laboratoryに滞在した。この間に, 研究協力者であるRiso National LaboratoryのD. J. Jensen氏とH. F. Poulsen氏の協力により, ヨーロッパEUの放射光施設ESRFのX線回折用ビームラインにて, SPring-8でCTした試料をX線回折実験した。ESRFにて先行開発されている結晶方位解析法を使い結晶方位マップを測定し, 初めて同一試料でCTスライス像と結晶方位マップの対応を得た。さらに, 金属材料学的に基本的な変形調査を可能とする試料(Al-2wt%Pb合金とAl-4wt%Pb合金)を作成し, 放射光X線回折実験を行った。これらの試料は次年度にSPring-8で再び回折実験およびCT観察をしながら引張変形させる予定である。そのために放射光実験を計画, 課題申請し, 次年度のSPring-8のビームタイムを確保した。
|