2009 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度放射光X線による三次元結晶方位解析手法の開発
Project/Area Number |
20760466
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 正和 Toyohashi University of Technology, 工学部, 講師 (20378243)
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Keywords | 放射光 / トモグラフィー / X線回折 / 結晶方位 / アルミニウム合金 / 三次元 |
Research Abstract |
本研究では,三次元で金属材料の変形・破壊メカニズムを明らかにするために,高輝度な放射光を使ったコンピュータトモグラフィー(CT)と併用できる三次元結晶方位解析法を確立することが目的である。これまで三次元で結晶方位情報を含めて金属材料の変形・破壊を評価することは誰もできていない。本年度の具体的な研究実施事項は以下の通りである。7月に日本の放射光施設SPring-8においてX線CTと3D-XRDの実験を実施した。3D-XRDは,前回の予備実験よりも高速スキャンが可能となるように実験条件やセットアップの最適化をおこなった。また,単結晶のアルミニウムワイヤーを用い,以前よりも高精度な位置合わせを試みた。試料のサイズやその位置,X線ビームの形状を変えて撮像を行う基礎的な実験も行った。多結晶材料の変形解析用に,数ミクロンサイズのPb粒子を含んだアルミニウム合金を作製し,3D-XRDとCTの実験を行った。得られたデータは,本研究で開発した解析ソフトウエアおよびヨーロッパの放射光施設ESRFで利用されている解析ソフトウエアを利用して処理し,そして,明瞭なX線回折スポットが得られた限られた結晶粒だけではあるが,結晶方位を導出した。ひずみ分布や結晶方位等を画像で示すソフトウエア開発も行い,データ処理環境の充実も図った。X線CTによるひずみマップと比較し,不均一変形の様子を観察した。本研究に関して,日本鉄鋼協会材料の組織と特性部会,軽金属学会秋季講演大会,SPring-8金属材料評価研究会で講演を行った。
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