2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線照射下における周波数変調方式AFMによる高感度分子振動検出
Project/Area Number |
20760469
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 宣夫 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (70397602)
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Keywords | 走査プローブ技術 / 赤外線分光 / 表面・界面物性 / 周波数変調 / センサー材料 |
Research Abstract |
走査プローブ技術(SPM)は、更なる高性能化・多機能化が求められている。特に周波数変調(FM)検出型ダイナミックモード原子間力顕微鏡(FM-DFM)は、対象とする表面との相互作用力検出のために、カンチレバーの持つ力学共振特性を利用し、探針-試料間相互作用力を周波数変化として高感度・高安定に検出できる。また同時に測定されるカンチレバー振動振幅の減衰(振動エネルギー散逸)のマッピング像が原子スケール分解能を持つことが知られているが、その原因かついては、まだ不明な腸も多い。このような現象解明は分子系材料を赤外線センサーのような機能性デバイスとして応用する際かは、避けることができない。そこで高分解能振動エネルギー散逸計測法を開発し、結晶格子の歪み・欠陥、分子コンフォメーションの変化、局在振動モード等の高感度分析・計測法としての確立を目指し、単一分子の揺らぎ赤外線照射により誘導、その散逸エネルギー量を直接捉えることを本研究の目的としている。 分子系機能性材料として有機強誘電性高分子であるポリフッ化ビニリデン三フッ化エチレン共重合体 (P(VDF/TrFE))を用いた。当該材料は、次世代赤外線センサーデバイスの主材料として期待されており、有機材料の固有な付加価値として「フレキシブル」な力学特性を有しながら、最も高い応答速度を示す「焦電型」動作が実現できる。ここで着目する「焦電型」センサーの原理は、赤外線がP(VDF/TrFE)に照射された際に生じる自発分極の熱揺らぎを検出することにある。本研究は2年間の研究期間の初年度か当たり、興味ある分子系機能性材料を、選択的か分光された赤外線(波長1000nm〜10000nm程度まで)を照射することで、格子振動などの微弱な相互作用を誘起し、散逸エネルギー量によって検出する計測系の構築を行った。
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Research Products
(1 results)