2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760472
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永瀬 丈嗣 Osaka University, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教 (50362661)
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Keywords | 金属ガラス / アモルファス / ワイヤー / ファイバー / 細線 / 溶融抽出紡糸法 / 素形材 / 急速凝固 |
Research Abstract |
本研究では、実用金属ガラスワイヤーとして、Ni_<60>Nb_<20>M_<20>(M=Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta)(組成はat.%表示)合金において、金属ガラスワイヤーの作製を達成した。また、作製した金属ガラスワイヤーは、金属ガラス特有の鏡面構造を有しており、ワイヤー破壊の起点となる表面クラックおよび傷の存在が認められない良好な表面性状を示していた。特に、Ni-Nb-M(M=Ti, Zr, Nb)金属ガラスワイヤーは、2GPa級の高い引張応力と、180°曲げ可能な良好な曲げ延性を有するなど、卓越した機械的性質を有することを見出した。 Ni-Nb-M急速凝固ワイヤーにおいて、(M=Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta)の周期律4族・5族合金では良好な金属ガラスワイヤーが作製されるが、(M=Cr, Fe, Co, Cu, AI, Si)の周期律6族・8族・9族・10族・13族および14族では、金属ガラス形成は認められなかった。これら合金系では、金属結晶が形成されたが、1m以上の長さを有するワイヤーの作製が認められたのは、8族Feと14族Siだけであった。これらNi-Nb-FeおよびNi-Nb-Si金属結晶ワイヤーは、いずれも極めて脆かった。金属ガラスの形成は、Ni-Nb系液体急冷ワイヤーの高強度化に必須であることが示された。 Ni-Nb-M系における金属ガラス形成には、周期表との関連性が強く認められた。これは、(M=Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta)の周期律4族・5族合金では、NiおよびNbとの混合エンタルピー△Hmixが大きな負の値を示す事と相関があると考えられた。
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