2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760477
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
関戸 信彰 National Institute for Materials Science, 材料ラボ, 主任研究員 (10462516)
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Keywords | 拡散 / 白金族金属 / 高温材料 / 元素戦略 |
Research Abstract |
C/Cコンポジットなど、カーボン材料を高温構造用材料として応用するためには、カーボンの酸化を防止する有効なコーティング材の開発が不可欠である。コーティング材に求められる特性は、カーボンとの熱膨張率が近いこと、酸素の内方拡散を防止すること、C原子の外方拡散を防止することなどが挙げられる。トップコートが酸化物系セラミック多層構造コーティングをデザインする際、Cの外方拡散を防止する拡散バリアー層が必要となる。ところで、Irは酸素の透過能が極めて低いことが示されている。よって、IrはOよりも原子半径の大きなCにおいても、低い透過能を示す可能性がある。そこで、PtやIrなどの白金族金属に対する侵入型元素Cの拡散挙動に着目した。Cの拡散性、透過性を考えた際、粒界拡散の効果が粒内拡散のそれよりも格段に大きいと考えられる。そこで、粒界拡散の効果を排除できる単結晶を用いた拡散実験を行うことを目的とする。本年度はその第一歩として単結晶の作製を試みた。純金属の単結晶化には成功しているものの、Cを固溶した合金の単結晶作製には、最適条件の探索に時間を要する。現在、侵炭処理を駆使したPt、Ir合金を作製を試みている。また、粒界拡散の効果を考察するには、粒界特性をより深く理解する必要がある。例えば、Irは粒界脆性を示すことが知られているが、微量のY添加によりYが粒界に偏析し、粒界脆性が改善できることが示されている。そこで、Irに対するY添加の効果を理解するため、Ir-Y二元系における相平衡や、侵入型元素である酸素との反応についても調査を行った。Ir-rich側の状態図を実験的に決定し、Ir固溶体に対するYの固溶限は極めて低いことを明らかにした。また、高温大気雰囲気下では,試料表面でIr酸化物の形成・昇華するため、合金重量は直線別に従って減少することを明らかにした。
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