2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20760481
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
山本 直克 National Institute of Information and Communications Technology, 新世代ネットワーク研究センター先端ICTデバイスグループ, 主任研究員 (60328523)
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Keywords | 量子ドット / 半導体ナノ構造 / 化合物半導体 / 広帯域発光 / 結晶成長 / 不均一構造 |
Research Abstract |
量子ドット(Quantum dot:QD)を光源デバイスへ応用するために、その構造不均一性制御が重要となる。構造不均一性は(1)発光波長帯域幅に影響するドットサイズの〜10%程度の揺らぎ、(2)複数ドット凝集による構造不均一が考えられる。(1)の制御は広帯域光源の性能向上に起因するが、(2)の制御はQDデバイスの品質改善のために必要不可欠な技術である。巨大ドット構造制御のために、アンチモン照射技術とサンドイッチ・サブナノセパレータ(Sandwiched Sub-Nano Separator:SSNS)構造をそれぞれ提案・検討した。 GaAs半導体基板上にInAs-QDを作製した。QD形成前後にアンチモン分子を照射することで、GaAs結晶中にアンチモンでコートされたQD構造が形成される。この技術により巨大ドット構造の発生が極端に抑制され、さらにアンチモンコートされたQDの発光強度が数倍増強することが明らかとなった。この巨大ドット形成抑制とQD近傍の欠陥抑制はアンチモン分子のサーファクタント効果に起因すると考えられる。 SSNS構造はナノ構造間に数分子の構造分離層を設けることでナノ構造間の悪い相互作用を抑制する技術である。InGaAs量子井戸中にInAs-QD構造を作成することで、長波長発光(0バンド)が期待される。しかし量子井戸上にQDを形成するときに、巨大な不均一構造形成が発生する。そこで量子井戸とQD間にGaAs数分子層を挟むことを提案した。これは量子井戸の表面状態制御として非常にシンプルである。この方法により、巨大ドット構造が劇的に抑制され、QD密度の大幅な向上(約8x10^10/cm^2)が達成された。 本研究ではQD光デバイス性能劣化に影響する巨大構造不均一に注目し、その抑制新技術を提案した。結果、巨大構造不均一の抑制とそれにともなうQDの発光特性改善が達成された。
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Research Products
(2 results)