2009 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩を媒体としたZrとAlおよびHfとAlの同時電析法の確立
Project/Area Number |
20760486
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
福本 倫久 Akita University, 工学資源学部, 講師 (20343064)
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Keywords | 溶融塩 / 同時電析 / アルミニウム / ハウニウム / ジルコニウム / サイクル酸化 / Niアルミナイド |
Research Abstract |
Niアルミナイド上に生成するAl_2O_3のはく離を抑制するためにNi上にAlの電析とともにHfを電析することによって耐サイクル酸化性の改善を試みた.その結果,溶融塩を媒体とした電析法によりしHfを電析し,Niめっきを施し,最後に溶融塩を媒体とした電析法によりAlを電析することによって,Hfを少量含むNiアルミナイドが形成され,この試料の耐サイクル酸化性が改善されることが明らかとなった.酸化後の試料の断面を観察すると外部スケールとしてAl_2O_3が生成し,内部酸化物としてHfO_2が生成してAl_2O_3の外部スケールがkey in effectにより下地金属との密着性を高くしていることが認められた.しかしながら,この手法は,Hfを電析した後にAlの電析を行うため,溶融塩電析を二回行っている.そこで,本研究では,コーティングプロセスの簡略化を目的に,溶融塩電析を1プロセスでAlとHfの電析できる同時電析法の可能性を検討することにした.AlとHfの同時電析により金属Ni上にHfを含むNiアルミナイド層の形成を試み,この層で被覆されたNiの耐サイクル酸化性を調べた。得られた結果は以下のとおりである. (1)NaCl-KClに3.5mol%のAlF3と0.05mol%のHfF_4を添加した溶融塩中ではHfとAlの同時電析を行った試料は,1423Kのサイクル酸化試験において,ほとんど質量変化を示さず,極めて高い耐サイクル酸化性を示した. (2)きわめて高い耐サイクル酸化性を示した,浴中へのHfF_4の添加量を0.05mol%として同時電析した試料を1423Kで100サイクル酸化すると,内層をAl_2O_3,内層をHfO_2とする均一なスケールが生成した.内層のHfO_2は楔状に下地金属に入り込んでおり,下地との密着性の高いスケール形態となった.
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Research Products
(2 results)