2008 Fiscal Year Annual Research Report
溶接基礎現象解明に基づく超高パワー密度ファイバレーザ溶接プロセスの知能化
Project/Area Number |
20760492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川人 洋介 Osaka University, 接合科学研究所, 助教 (70379105)
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Keywords | レーザ溶接 / ファイバーレーザ / 溶接基礎現象 / 適応制御 / アルゴリズム / レーザ吸収 / 知能化 / キーホール |
Research Abstract |
電子ビームのMW/mm^2に匹敵する10kW高輝度ファイバーレーザを用いて、高品質な深溶込みを安定的に得られる画期的なレーザ溶接法を創出するため、超高パワー密度レーザ溶接時における基礎現象の解明および溶接プロセスの知能化を実施した。主な結果を下記に示す。 1. 基礎現象の解明 : アルミニウム合金、ステンレス鋼の高出力ファイバーレーザ吸収特性を、カロリメトリー法を用い, 広範囲な溶接条件で調査した。その結果、10kW出力では、アルミニウム合金では最大93%, ステンレス鋼では最大89%と高いレーザ吸収が実現されることが明らかになった. また、250mm/sの高溶接速度に達しても、レーザ吸収が、アルミニウム合金72%, ステンレス鋼60%と比較的高い値であった. 吸収の低下は, キーホールロを通過する入射レーザ光の割合に強く依存し, 高速域では, レーザ照射部から後方にズレた位置に, キーホールが生成されることが大きな要因であることが判明した。このような点は従来指摘されておらず, 新しい結果であり, 最近話題である超高速レーザ溶接のリモート溶接に対しても有効な知見である. 2. プロセスの知能化 : 連続溶接では, レーザ照射位置が常に移動するので, 溶接欠陥に対して予防的なレーザ制御が必要である。そこで、シングルモード・ファイバーレーザを純チタン薄板の重ね溶接に適用し、溶接速度の加速・減速時に、蓄熱を考慮した適応制御アルゴリズムに基づき、レーザ出力を制御すれば、目的な溶接部形状が得られることがわかった。この結果は、新規的で、欧州で主な溶接関連の発表があるJ. Phys. D : Appl. Phys. (IMPACT FACTOR : 2.2)でも掲載が決まり、世界に対して発信ができた。
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Research Products
(2 results)