2009 Fiscal Year Annual Research Report
溶接基礎現象解明に基づく超高パワー密度ファイバレーザ溶接プロセスの知能化
Project/Area Number |
20760492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川人 洋介 Osaka University, 接合科学研究所, 准教授 (70379105)
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Keywords | レーザ溶接 / ファイバーレーザ / 溶接基礎現象 / 適応制御 / アルゴリズム / レーザ吸収 / 知能化 / キーホール |
Research Abstract |
電子ビームのMW/mm^2に匹敵する高出力・高輝度レーザを用いて、高品質な深溶込みを安定的に得られる画期的なレーザ溶接法を創出するため、超高パワー密度レーザ溶接時における基礎現象の解明および溶接プロセスの知能化を実施した。主な結果を下記に示す。 1. 基礎現象の解明:X線透視観察装置を用いて、高出力・高輝度レーザ溶接時の溶接欠陥ポロシティの新しく特徴的な発生機構を観察した。従来のレーザ溶接では、主にキーホール底部から気泡が発生し、凝固界面でトラップされ、ポロシティとなるが、高出力・高輝度レーザ溶接では、キーホール中央部から気泡が発生した。これは,レーザ集光特性を比較・検討すると、MW/mm^2級に超高パワー密度が集光れた部分に相当し、このような超パワー密度部では、ポロシティ生成の芽になる可能性が判明した。さらに,X線透視観察装置を用いて、ステンレス鋼では最大89%と高いレーザ吸収が実現される溶接プロセスにおいて、レーザ光の高パワー密度部が、直接キーホール底部に届く位置配置になっていることも明らかにした。本研究成果は、日本の主な溶接関連の雑誌である溶接学会論文集,27,3(2009),183-188(査読有)に掲載された。 2. プロセスの知能化:連続溶接のレーザ適応制御の研究成果が、J. Phys. D: Appl. Phys., 42, 8 (2009), 085501(査読有IMPACTFACTOR:2.2)に掲載された。また、16kW高輝度ディスクレーザを使用し、ビード・オン・プレート溶接を行い、これまでの研究成果と同様に熱放射光が溶融池サイズのリアルタイム指標であり、適応制御の有効な入力信号となることを確認した。
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