Research Abstract |
ものつくり産業の持続的な発展には基礎・基盤技術が必要不可欠であり, 異材継手を作製する接合技術が求められている. しかし, 異材継手を既存の溶融溶接法で作製した場合, 接合界面に脆弱な金属間化合物層が生成してしまい, それが継手性能に大きく影響するという問題点がある. そこで, 融点以下の温度で接合が可能である摩擦圧接法の適用が考えられるが, 同法で異材継手を作製しても必ずしも母材部から破断するという良好な継手が得られていないのが実情となっている. この様な問題点を解決する方法として, 先の科研費(平成17-19年度若手研究(B), 課題番号17760090)により開発することができた低入熱状態で接合を完了することができる新しい摩擦圧接方法の適用が考えられる. 本研究では, この接合手法を用いて異材継手作製のための接合技術を発展・展開させ, そしてそれらの結果をデータベース化することを目的とした. その中で本年度は, 異材摩擦圧接メカニズムを解明するため, 純Tiと純Cu, 純Alと軟鋼, AI合金と軟鋼, 純Cuと軟鋼という各種材料を組み合わせた場合の接合実験を行い, 実際に接合面のどの部分から接合され始め, どの時点で接合を完了すれば接合部から破断しない健全な継手が得られるかなどの詳細な内容を把握した. そして, これらの結果を踏まえ, 定性的な接合現象の大別化を試みた. また, セラミックス系材料と(非鉄)金属材料の組み合わせのような接合性が悪い組み合わせについて, それぞれの素材との接合性が良いインサート材を用いてこれら3種類の素材の同時接合を行うための第一歩として, 接合性の良い真鍮と軟鋼とを組み合せた場合において, 低入熱状態で接合ができる接合自己完了型摩擦圧接法の適用を試み, その可能性を探った.
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