2008 Fiscal Year Annual Research Report
微細ナノ粒子および粒界性格分布に注目した摩擦攪拌接合材の異常粒成長抑制機構の解明
Project/Area Number |
20760502
|
Research Institution | Industrial Research Institute of Osaka Prefecture |
Principal Investigator |
平田 智丈 Industrial Research Institute of Osaka Prefecture, 機械金属部, 研究員 (20359433)
|
Keywords | 摩擦攪拌接合 / 異常粒成長 / 微細ナノ粒子 / 動的再結晶 / 粒界性格分布 / アルミニウム合金 / マグネシウム合金 |
Research Abstract |
本研究課題は、摩擦攪拌接合材において高温保持時に発生する、接合部組織の異常粒成長に関するものである。したがって最初に、本研究課題におけるキーワードの一つである異常粒成長に関して、SCOPUSにてキーワード検索し、過去のデータを網羅した。特に摩擦攪拌接合に関与する異常粒成長に関してのデータベースの構築を行い、そのデータベースに基づき、本研究課題の位置付けを改めて明確化し、その後の研究を遂行した。 一次に異常粒成長に及ぼす微細ナノ粒子分散の影響に注目して研究を遂行した。アルミニウム合金にZrを添加し、微細なAl_3Zr粒子を分散させた材料をはじめ、粉末冶金法により微細酸化物粒子を分散させるなど種々の微細ナノ粒子を有する材料を作製した。微細ナノ粒子分布状態は、TEM観察により評価した。また、微細ナノ粒子の存在は、動的再結晶挙動にも強く影響を及ぼすことが考えられるため、動的再結晶組織の集合組織を、特に粒界性格分布に注目してSEM-EBSPにより調査した。加えて、微細ナノ粒子に加えて添加元素等の第2相が一切含まれない高純度アルミニウムやマグネシウム合金を用いて、翌年度の予備実験的に異常粒成長の抑制機構を調査した。 これらの実験により、微細ナノ粒子の分散は高温時の異常粒成長の抑制に有効であることがわかり、時効硬化型合金などで接合後に熱処理が必要な場合に生じる、異常粒成長による継手材のじん性・疲労強度などの著しい劣化を軽減できることが確認できた。以上のように、信頼性を損なう原因となっている摩擦攪拌接合部の異常粒成長の、抑制機構解明の一助となる社会的意義の非常に高い研究成果を得ることができた。平成20年度に得られた成果は引き続き平成21年度に順次発表していく予定である。
|
Research Products
(2 results)